「コミュニケーション能力」という言葉にありがちな誤解

コミュニケーション

 いろんな人と関わり、お互いのことを知るために、人は会話をします。
会話が弾むと、互いの印象はよくなり、それまで以上に良好な関係を築くことができますね。
これがコミュニケーションです。

 就活をする学生は、この「コミュニケーション」について、これまでに考えたことがないくらいの時間と労力を費やしているでしょう。
合同説明会で企業担当者にする質問や、グループディスカッション、集団面接や個人面接など、自分のことを知ってもらい、採用されるために、いろんな場面を想像してコミュニケーションの取り方を考えてきているはずです。

 ただ、シーンに応じてきちんとコミュニケーションをとれるか。
この認識に誤解がある人もいるようです。

話下手とコミュニケーションの間にある誤解

 就活中の学生に限らず、社会に出ればいろんな人とコミュニケーションを求められます。
ここで、「人と話すことが苦手だ」と感じている人は、コミュニケーションがうまく取れないと悩んでしまうようです。
この悩みこそが、コミュニケーションに対する大きな誤解と言えます。

話し上手=コミュニケーションスキルではない

 話に詰まったり、考えがうまくまとまらずに言葉がうまく出てこない人にとって、コミュニケーションという言葉は、ストレスすら感じるほど後ろ向きな気持ちにさせるものでしょう。
そして、話がスラスラと進む人を羨ましいとさえ思います。

 コミュニケーションスキルは、話が上手だという意味ではありません。
そして、話が得意だと思っている人は、コミュニケーションをとることに対して、誠実に考えたり向き合おうとしない傾向があります。
それはなぜか。話がスラスラとできる人は、話すことに対して苦手意識を持っていないので、話の主体を自分に置くほうを楽だと感じます。
自分が話をする時間を優先してしまい、相手の話をきちんと聞く、内容を拾う、理解する時間を意識せずに、一方的な話を展開して満足するリスクがあるのです。

コミュニケーション力は「互いの思い」と向き合うこと

 コミュニケーションに必要なのは、お互いに聞きたいことを聞くことができた、話をして理解したと感じる「共通理解」です。
相手から話を引き出すためには、傾聴とうなずき、そして笑顔が必要です。
また、相手に伝えるためには、誠実な気持ちと伝えようとする熱意が求められます。
誤解をしたままで、思いも薄い口先だけの言葉は、聞いている相手がその「気持ち」を感じ取ります。

 たとえスムーズに言葉が出てこなくても、一生懸命に伝えようとする気持ちがあれば、相手はその話を聞こうという姿勢で返してくれるでしょう。これがコミュニケーション力です。

 恰好をつけることも、気取る必要もありません。
自分らしく相手に伝える努力と、相手を知ろうとする姿勢がコミュニケーションをとる上でとても重要なのです。