人材業界の市場規模と今後の将来性について

人材ベンチャー企業

 人材業界は、景気や社会情勢、経済動向の変化に影響を受けやすく、ニュースやトピックスでも、失業率や有効求人倍率といった数値で示される要素が多い分野です。明確な数字がタイムリーに公開されるため、業界全体の流れも見えやすいカテゴリーといえるでしょう。
 これまでに、人材業界は時代に沿いながら業務内容を広げ、いろんな雇用問題に正面から挑んできました。日本の経済状況が直接的に影響する分野だからこそ、これから人材業界がどのように変わっていくのか、その動向を多角的に知ることが大切です。

〇人材業界の市場規模を探る

 かつてのバブルを知る人たちはすでにリタイアし、今日本で働く人の多くは、景気の良い時代を知らないまま、それが当たり前だとして生活しています。終身雇用という言葉に現実味がなく、パートやアルバイト、契約・派遣社員といった非正規雇用に抵抗を感じない世代ともいえます。
 ただ、これからの日本人口推移は減少をたどることはほぼ確定しており、外国人労働者を受け入れながら日本経済を廻していくことになります。そのため、企業の軸となるべき正社員の雇用が増え、非正規雇用は減少するでしょう。人材派遣・斡旋業界は縮小していくと予想されます。

●新たな人材業界のスタイルシフト

 これまで、人材業界全体がターゲットにしてきた「中途採用」や「有期就労」を望む人は確実に減少していきます。働き世代人口の減少に伴い、人材業界はそのターゲットを新卒者に向け始めました。
 そこで人材を扱う業界の一部では、これから社会に出て働こうとする人をターゲットにし、より良い人材を育てて紹介・斡旋するシステムにシフトしつつあります。新卒者採用をしたい企業の募集を引き受け、エントリーシートのチェックから面接に至るまで、人材選定に関わるケースもあります。

●より良い人材を発掘する場の提供

 就職・就労者数を業界全体で競るだけではなく、そのサービスやスキルアップに向けた取り組みを行って、市場規模拡大を狙う動きも見え始めています。クライアント企業が行う新卒者向けインターンシップの企画などがその例です。
 同様に、特定分野や専門的な業界に向けた人材育成セミナーやマナーアップを目指すカリキュラムを企業に提供し、働く人の質を上げる教育的要素を担う取り組みが、今後広がりそうです。

〇働く意識の変化と人材業界市場

 働く人にとって、「就職したら特段の事情がない限り簡単に辞めるわけにはいかない…」と忠誠を誓うような意識や、転職に対する抵抗感は薄らいでいると言って良いでしょう。企業側も、即戦力となる人を中途採用を求める風潮が一般化してきています。
 人と企業をつなぐ役割はこれからも人材業界に求められ続けるでしょう。また、労働力不足に備えて、キャリア形成や労働条件整備など、働く人を包括的に支えるようなサービスの提供も不可欠です。求められるニーズを具現化していくことで、広義な意味で人材業界は、市場規模を拡大する要素が多い分野といえるでしょう。