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(更新日:)

【エンタイムズ12月号#001】青森のりんご産地で広がる“シェアジョブの力”

青森県弘前市では、秋の収穫繁忙期を迎えるりんご農家にとって、毎年の“人手不足”が大きな課題となっています。その中で、当社が運営する「シェアジョブ」が、地域の働き手と農家をつなぎ、新しい形の労働力確保に貢献しています。
シェアジョブを活用している2つの農家「鎌田農園様」「ファーマーズファミリー様」を訪ね、現場のリアルな声を伺いました。


写真は左から鎌田農園 鎌田さん・弘前支店支店長 駒谷

「村のりんごは、村の人で守りたい」
これが鎌田農園・鎌田さんのりんごづくりの原点です。

昨年までは、繁忙期になると昼は畑、夜は選果作業で深夜1〜2時までかかる日も珍しくない、“気合い” だけで乗り切る毎日。しかし今年、シェアジョブを導入したことでその働き方が大きく変わりました。

「人が来てくれるだけで、畑の面積を去年の倍に増やせました」
ワーカーの力が加わったことで、農地拡大・作業効率の向上・休息時間の確保と、さまざまなプラスの連鎖が生まれていると言います。

特に印象的なのは、鎌田さんの“育てる姿勢”。「失敗しながら覚えていい。経験こそが財産」と語り、未経験者にも一つずつ丁寧に任せ、成長を見守るスタイルが根付いています。

さらに、現場に来るワーカー同士が自然と声をかけ合い、経験者が新人をフォローする“学び合いの文化”が形成されているのも大きな特徴。単なる助っ人ではなく、シェアジョブのワーカーが“チームの一員”として農園の戦力になっていることが実感できます。

この“人を育てる力”こそが、鎌田農園が地域で評価される理由であり、シェアジョブが農家の現場に新しい風をもたらしている象徴でもあります。

中央の鎌田さんを囲うのは、従業員の方と、7名のシェアジョブワーカーの皆さん

鎌田さん:
「ただ来て作業して帰る」では味気ないと思うんです。
せっかく来てくれた人たちと、もっと自然に関われる場をつくりたい。
だから休憩時間には必ず声をかけたり、収穫が落ち着いた頃にBBQを開いたりして、
“仲間としての時間” を大事にしています。

鎌田さん:
すごく良い方向に作用していますね。
初めて来た若い人も、ベテラン農家の方も一緒になって笑ってる。
お互いを知ることで働きやすくなり、自然と教え合う文化が生まれています。
結果としてリピーターも増えて、「また来たい」と言ってくれるんです。

鎌田さん:
そうなんです。
農業はどうしても孤独になりがちですが、人が集まることで畑も気持ちも明るくなる。
僕は“人が育つ”ことが地域の未来を守る鍵だと思っています。


写真は左から弘前支店支店長 駒谷・ファーマーズファミリー 加藤さん・弘前支店 蝦名

続いて訪れたのは、加藤さんが営む「ファーマーズファミリー様」。
“りんご農家のイメージを変えたい”という想いを持つ若手農家です。

「農家って休みがなくて大変、というイメージを変えたい。夢を持てる仕事にしたいんです」

シェアジョブ導入後は、繁忙期に4〜5名のワーカーが参加。
加藤さんは「ただ作業して帰るのではなく、話して関わって、一緒に成長してほしい」とコミュニケーションを大切にしています。

60代のワーカーが「出会いを求めて来た」と語るなど、多様な人との交流が刺激になっているそうです。

今後は自社りんごの加工品づくりにも挑戦し、年間を通じてシェアジョブを活用できる仕組みづくりを目指しています。

収穫時期を迎えたりんごを見せていただきました

加藤さん:
農家って、どうしても外の世界との接点が少なくなりがちなんです。
休みもほとんどないので、人と出会う機会も少ない。
でも、シェアジョブの人が来るようになって、“外の視点を持った人” が畑に入ってくれるようになりました。
他の農園で経験してきた方法を教えてくれることもあり、
情報が入ることで自分の作業もどんどん良い方向に変わっています。

加藤さん:
誰だって最初はできないのが当たり前です。僕自身も昔は失敗ばかりでしたし。
だから、できるようになるまで根気よく付き合うことが大事だと思っています。
それに、回数を重ねれば自然と慣れて、スピードも上がる。
“使える人かどうか”を見るんじゃなくて、“どう育てるか”を大事にしています。

加藤さん:
コミュニケーションですね。ただ来て作業して帰るだけじゃ意味がない。
僕は必ず最初に話しかけて、雑談もしながら畑の空気を和らげるようにしてます。
中には、実は元農家だった人がシェアジョブで来てくれて、
逆に僕が教えてもらうこともあります。
そういう人との縁は、農園の財産だと思っています。


2つの農家に共通するのは、
「シェアジョブは単なる労働力ではなく、地域のつながりを生む仕組み」という評価でした。

短時間のワークでも、農家の力になりながら、地域の暮らしや文化に触れる。
そんなゆるやかな関係性が、人手不足の現場に確かな“継続性”を生んでいます。

当社はこれからも、地域に寄り添い、農家の皆さまの負担を少しでも減らせる仕組みづくりに取り組んでまいります。